箱詰め作業は扱う製品や環境によって負担が異なりますが、状況次第では過酷な重労働となる場合があります。本記事では、負担が大きくなる原因や放置するリスクに触れ、現場の環境を改善するための対策方法を解説します。
扱う製品のサイズやラインの設計によっては、作業者が前かがみなどの不自然な姿勢を長時間続ける状況が発生します。軽い製品であっても、同じ動作を何度も繰り返すことで、腰や肩、腕といった特定の部位に疲労が集中しやすい環境になりえるのです。さらに、ベルトコンベアから次々と流れてくる製品を処理し続けなければならない現場では、一定のペースを保つための精神的なプレッシャーも重なります。このような身体的・精神的な負荷が慢性化していくと、作業員へのダメージが蓄積し、労働災害を引き起こす要因になりえます。
梱包する製品自体の重量が大きい場合、箱への出し入れや移動のたびに筋肉や関節へ強い力が加わります。飲料や金属部品など、一つひとつはそこまでの重さがなくても、まとまった数になると相当な重量になる製品を扱う現場では、日々の動作が腰痛の原因となるケースが少なくありません。また、出荷のために重い箱をパレットに積み上げる工程においても、腰をかがめたりひねったりする動作が加わるため、怪我のリスクが高まります。体力に自信のある作業員であっても、毎日継続して重量物を扱い続けることで、身体への負担は確実に蓄積していくと言えるでしょう。
もし現場が重労働化しているにもかかわらず、その環境をそのままにしておくと、疲労の蓄積から従業員の集中力が途切れてしまいます。その結果、製品の詰め忘れや異物混入といったヒューマンエラーが発生しやすくなり、品質の低下を招く恐れがあります。また、身体的な辛さから休職や退職を選ぶ従業員が増加し、常に人手不足に悩まされる悪循環に陥ることも懸念されます。残された人員にさらに負担がのしかかるという負の連鎖を断ち切るためにも、現在の作業環境を客観的に見つめ直し、働きやすい環境づくりへ向けた投資を検討していくことが企業には求められます。
大掛かりな設備投資を行わなくても、現在のレイアウトを工夫するだけで作業負担を和らげることが可能です。たとえば、作業台の高さを一人ひとりの身長や作業内容に合わせて調整できるようにすることで、腰や背中への負担を大きく減らせます。加えて、製品を取り出してから箱に詰め、完成した箱を移動させるまでの動線を短くすることも効果的です。無駄な歩行や振り返り動作を省くことにより、一日の総運動量を削減できるため、疲労感の軽減につながっていくと考えられます。
特定の作業環境において一部の従業員だけに負荷が偏らないよう、作業のローテーションを組むことも有効な手段と言えます。例えば、重いものを扱うポジションと、比較的負担の少ない作業のポジションを数時間おきに交代することで、特定の筋肉への疲労集中を防ぐことができます。この仕組みを機能させるためには、複数の業務をこなせる多能工を育成していくアプローチが欠かせません。一人ひとりが様々な工程を経験することで、お互いの苦労を理解し合い、チーム全体で助け合う風土が育つという相乗効果も期待できるのではないでしょうか。
作業員の身体を物理的にサポートするアイテムを取り入れる企業も増えてきました。特に、腰にかかる負担を軽減するアシストスーツは、重量物を持ち上げるような力仕事が発生する現場において大きな助けとなります。モーターで駆動するタイプや、ゴムの張力を利用する安価なタイプなど、予算や用途に応じた選択肢が豊富に揃っているのも特徴です。さらに、疲労を軽減するクッションマットを足元に敷いたり、作業を補助するグローブを導入したりと、小さな改善の積み重ねが働く人々の健康を守る基盤となっていきます。
手作業による負担を根本からなくすためには、機械による自動化が非常に有効な選択肢となります。その第一歩として挙げられるのが、平らな段ボールを立体に組み立てて底をテープで留める自動製函機の導入です。人間が行うと意外と手首を酷使するこの工程を機械に任せることで、後続の作業員は負担の少ないメインの仕事のみに集中できます。処理スピードも一定に保たれるため、生産ライン全体の流れがスムーズになるという付加価値も期待できます。
製品を掴んで箱に収める動作自体を自動化し、作業者を反復動作から解放したい場合は、ロボットケーサーと呼ばれる機械が活躍します。パラレルリンクロボットや多関節ロボットがコンベア上を流れる製品を正確に拾い上げ、指定された配列で素早く箱へ詰めていくシステムです。人間のように長時間の稼働でスピードが落ちたり、疲労によるミスが発生したりすることがないため、高い生産性と品質を維持し続けることが可能です。多品種少量生産に対応できる柔軟なモデルも登場しており、様々な現場での課題解決に貢献しています。
箱詰めが終わった後の工程も、扱う製品によっては負荷が高まりやすいポイントです。完成して重くなった段ボールを持ち上げ、パレットに規則正しく積み上げていく作業は、パレタイザと呼ばれるロボットに代替させることが可能です。また、積み上がったパレットや資材を所定の場所まで運ぶ工程には、自律走行型の搬送ロボットや無人搬送車を導入する手法があります。これらの技術を組み合わせることで、工場や倉庫内から「重いものを持ち運ぶ」という身体的負担を大幅に減らせるようになります。
箱詰め工程は必ずしもすべてが重労働というわけではありませんが、扱う製品の重量や作業環境によっては、従業員の健康を脅かし企業の生産性にも影響を及ぼす重要な課題となります。作業台の高さ調整やシフトの見直しといった身近な工夫から始めるだけでも、現場の疲労感は確実に和らいでいくことでしょう。さらに、中長期的な視点に立って機械化や自動化を進めれば、身体的負担という根本的な問題を取り除くことができます。働く人々の安全を守り、持続可能な事業運営を実現するために、まずは自社の現場に合った改善策から検討を始めてみてはいかがでしょうか。
箱詰め工程の機械化によるメリットや、自動化を成功に導くためのポイントを以下のページで紹介しております。ぜひあわせてご覧ください。
オートケーサー導入を検討中の企業に向けて、効率化・コスト削減を最大化するための製品を紹介します。
各社で仕様や推奨される業界が異なるため、それぞれの特長と適した用途を自社ニーズと照らし合わせてご覧ください。


