梱包ラインの人手不足や作業負担にお悩みではありませんか。ラインの一部だけを自動化する「部分自動化」は、限られた予算やスペースでも省人化に取り組める手段のひとつです。本記事では導入のメリットや適した機械を紹介します。
梱包工程を見直す際、最初から最後までをすべて機械に任せる完全自動化をイメージされる方も多いかもしれません。しかし、ライン全体を一新するには大規模な設備投資と広い設置スペースが求められます。これに対して部分自動化は、製函や箱詰めといった特定の工程のみを切り出して機械化する手法を指します。既存の作業フローに人と機械が共存する形となるため、大掛かりな工事を伴わずに導入を検討しやすいのが特徴です。大規模な工場だけでなく、中小規模の製造現場でも現実的な選択肢として採用されるケースが増えています。
このアプローチは、多品種少量生産を行っている現場や、季節によって生産量が大きく変動する工場などで特に導入を検討されやすい傾向にあります。すべての製品サイズに合わせてラインを完全自動化しようとすると、かえって費用対効果が悪くなる恐れがあるためです。また、工場内のスペースに余裕がなく、大型の専用機を設置できないといった物理的な制約を抱えている現場にも適しています。人と機械で柔軟に作業を分担することにより、状況の変化に対応しやすい生産体制の構築が期待できるでしょう。
導入にかかるコストを低く抑えやすいという点は、多くの企業にとって大きな魅力となります。生産ライン全体を設計し直す必要がないため、高額な専用装置を複数導入する予算がなくても、自動化への第一歩を踏み出しやすくなります。まずはひとつの工程に絞って機械を導入し、実際にどの程度の効率化が見込めるのかを確認しながら進められるのも利点です。投資額を抑えやすいため、投資対効果を検証しながら段階的に自動化を進めやすくなります。
重たい段ボールを繰り返し持ち上げたり、中腰の姿勢で長時間の箱詰めを行ったりする作業は、従業員の身体に大きな負担をかけてしまいます。このような過酷な工程を優先して機械に置き換えることで、作業者の身体的な負担軽減や、作業環境の改善につながる可能性があります。さらに、浮いた人員を品質検査やより複雑な判断が求められる業務へ配置転換できるため、限られた人材を有効に活用する体制づくりを後押ししてくれます。
稼働中の工場において、生産ラインを長期間止めて大規模な改修を行うのは現実的ではないケースも珍しくありません。部分的な自動化であれば、既存設備を活用しながら、必要な工程に機器を追加することで導入できる場合があります。大規模なライン変更を避けられる場合には、既存設備への影響を抑えながら導入を進められます。結果として、日々の生産活動への支障を最小限にとどめつつ、スムーズに新しい設備を稼働させやすい環境が整います。
導入効果を最大限に引き出すためには、現状の作業フローの中でどこに課題があるのかを正確に把握することが欠かせません。特定の場所で製品が滞留していたり、手作業によるミスが頻発していたりする工程を見つけ出す作業から始めてみてください。現場の作業員へのヒアリングや、各工程にかかる時間を計測することで、優先的に改善すべきポイントが浮かび上がってきます。闇雲に機械を入れるのではなく、本当に人の手が足りていない部分を特定することが、失敗を防ぐための重要なステップとなります。
一部の工程だけ処理スピードが速すぎても、前後の作業が追いつかなければライン全体としての生産性は向上しません。導入する機械の能力が高すぎると、逆に手作業の工程に負担をかけてしまう恐れがあるため注意が必要です。自動化する部分と人が担う部分の処理速度のバランスを考慮し、全体の流れが滞りなく進むような設備を選ぶよう心がけましょう。スムーズな連携が取れるよう、ライン全体の処理能力を事前にシミュレーションしておくことで、より実用的な環境を構築しやすくなります。
現在の課題を解決するだけでなく、数年後の事業展開や生産量の変化も視野に入れて機器を選定することが望ましいといえます。取り扱う製品の種類が増えたり、梱包の仕様が変わったりした場合でも、設定の変更等で柔軟に対応できる機械を選んでおくと安心です。また、後から別の機械を追加して完全自動化へとステップアップしていく計画がある場合は、他社設備との連携実績や通信仕様なども確認すると、さらに実務的な設備計画を立てやすくなるでしょう。
平らに折りたたまれた段ボールを立体に組み立て、底の部分をテープなどでとめる作業を自動で行う装置を指します。手作業で箱を組み立てる工程は意外と時間を消費しやすく、ここを機械に任せるだけでもライン全体の流れがスムーズになります。後工程で待機している作業員に、一定のペースで空箱を供給し続けられるようになるのも大きな利点といえるでしょう。作業者が箱の組み立てに気を取られることなく、製品の検品や箱詰めなど、より注意を要する業務に専念できる環境づくりをサポートしてくれます。
製品を指定の数量や配置で段ボールに詰め込む作業を担うのが、ケーサーと呼ばれる機械類です。大量の同じ製品を高速で処理したい場合は、専用に設計された段ボールケーサーが適しているケースが多く見受けられます。一方、複数の種類や形状の製品を扱う現場であれば、製品に合わせたハンドを使い分けることで柔軟に対応できるロボットケーサーの導入が選択肢に入ってきます。製品の特性や生産のロット数に合わせて適切な種類を選ぶことで、ヒューマンエラーによる数量間違いなどを防ぐ効果が期待できる設備です。
協働ロボットは、人と同じ作業空間での協働を想定した安全機能を備えたロボットです。従来の産業用ロボットと比べて、人とロボットが近接して作業する構成を取りやすいことが特徴です。ただし、安全柵の要否はロボットの仕様や作業内容、リスクアセスメントの結果によって異なります。限られたスペースの工場であっても、空いている作業台に設置して稼働を検討しやすい点が魅力といえるでしょう。人の手による繊細な作業と、ロボットによる反復作業を上手く分担させることで、柔軟性の高い生産ラインを構築したい場面で力を発揮してくれます。
箱詰めが終わった後の段ボールの蓋をテープで閉じたり、側面に賞味期限やロット番号を印字したりする機械です。これらの作業はラインの最終段階で行われるため、ここを手作業に頼っていると出荷前の工程で製品が滞留してしまう原因になりかねません。比較的単独の工程として導入を検討しやすい設備もあり、初めて自動化に取り組む企業にとっても候補に挙がりやすい領域だといえます。地味な工程に見えるかもしれませんが、作業者の負担軽減や出荷工程の安定化に役立つ設備となります。
梱包ラインの一部だけを機械に任せる部分自動化は、多額の予算や広いスペースがない現場でも着手しやすい現実的なアプローチです。既存の設備を活用しながら、作業環境の改善や人手不足の解消、品質の安定化を図ることができます。まずは自社のラインを見直し、どこがボトルネックになっているかを客観的に把握することから始めてみてください。過酷な工程や時間がかかっている作業から優先して自動化を進めることで、人と機械がバランス良く協力し合える生産体制の構築につながるでしょう。
当サイトでは、自動化を成功に導くためのポイントを以下のページで紹介しております。ぜひあわせてご覧ください。
オートケーサー導入を検討中の企業に向けて、効率化・コスト削減を最大化するための製品を紹介します。
各社で仕様や推奨される業界が異なるため、それぞれの特長と適した用途を自社ニーズと照らし合わせてご覧ください。


